年下君の甘い誘惑






「じゃ、あたし急いでるし帰るね!」





あたしは坂石雅人の手を振り払って、その場を去ろうとすると





―――――――――グイ





坂石雅人に腕を捕まれて、引き寄せられる





「逃がしませんよ、未来先輩。」




「え、ちょっと。」




せっかくあたしが気をきかせてあげたのに、これじゃ意味がない




「ってことで悪いけど、未来先輩送るから、今日ダメだわ。」



「え、なんで。あたしのが先に約束してたのに。」



「本当に悪い。未来先輩と一緒にいたいから。」



「なんなの、それ!最悪!」



坂石雅人の言葉に、その子はフンッと怒って行ってしまった






「ねぇ追いかけなくていいの?」




あたしの質問に坂石雅人はケロッとした顔で答える




「いいんです、未来先輩のが大事ですから。」






―――――――――ドキン





"未来先輩のが大事ですから"





…………こおゆうこと照れもしないで、よく言えるなぁ
坂石雅人と一緒にいると本当に調子狂うよ







「じゃ行きますよ。」



「あ、うん。」




あたしは胸の高鳴りがおさまらないまま、坂石雅人に手を引かれて、再び歩き始めた






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