年下君の甘い誘惑




すると



「あ、もしかして、南高校ですか?」



その男の子があたしの制服を見て言う



「あ、うん。」


……南高校なんてよく知ってるなぁ
と思いつつも、あたしが返事をすると男の子は、意味ありげに不適な笑みを浮かべた




「…………?」



「じゃまた後で会いましょう、未来先輩。」



「え?」




今、"未来先輩"って言った……?
なんで名前知ってるの?




聞こうと思ったときには、男の子はいなくなっていた




………なんだったろう




不思議な体験をしたな程度で済ませて、あたしは電車に乗った




だから、このときはまだ知るよしも無かったんだ




――この出会いが運命が変えることになるのも



「必ず、俺のものにしますよ。未来先輩。」



――電車に乗る私を見ながら、彼が呟いていたことも




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