年下君の甘い誘惑





……………え?キス?




あたしがポカンとしていると、龍があたしの腕を引っ張る




「キスしろよ。」



「……あたしからは嫌。」




嫌ってゆうより、なんか恥ずかしいし




あたしが俯いてると、龍はあたしの顎をクイッとあげる




「してくれないの?未来からしてくれないと許さねぇよ?」




そう言いながらも、龍はだんだん顔を近づけて来る




…………結局自分からしてくるんじゃん




「龍の馬鹿。」




近づいてくる龍の体温を感じながら、瞼をとじたとき、頭に坂石雅人の顔が浮かぶ




"未来先輩、大好きです"






…………坂石雅人





あたしは思わず龍から顔を背けてしまった




「………未来?」




そんなあたしに龍もビックリしたようで、目を丸くしている




………あたし、何やってんだろ
今、坂石雅人のこと思い出した?




「あ、え、ごめん。トイレ!」




あたしはその場にいたたまれなくなり、思わず部屋を飛び出す




……………どうして




どうして坂石雅人の顔なんか思い出しちゃうんだろう




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