生きた証 SILENT VOICE
葛城 未苟

かつらぎ みく

俺は自分の部屋でメモを見ながら

アドレスと名前を登録していた

携帯を使うのは不慣れで

文字を打つのなんて本当に遅い

だから

時間をかけて正確に打った

初めのメールは何と書いて送れば良いのか

分からなかったから

諦めて寝てしまった

朝になって目覚めても

何等変わりの無い日常がスタートする

通院の毎日に比べれば少しはマシなのだろう

また同じ時間の電車に乗って

学校へ向かう

昨日の疲れはまだ抜け切っていない

重い体を学校まで引きずって

玄関でスリッパに履き変え

階段を上る

昨日と同じ手順で一日が始まり

終わる

そんな気がしていた
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