生きた証 SILENT VOICE
電車を降りて

学校へ歩く

平気を装って歩いてはいるが

もう心臓が飛び出しそうだ

一歩の幅が狭まっていくように感じて

まだ自分の中に

後ろめたい事が溢れかえっている

だが

足は止まる事はなく

引き返す事もない

頭で考えるのではなく

体が誘導している

こうなったら行くしかない

門を通り

スリッパを履くまでがあっという間で

職員室の前に着いた時には

軽く放心していた

『失礼します』

職員室に入ると

知らない先生に肩を叩かれ

『じゃあ行こうか』

促されると

体はまたしても勝手に動いていた
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