生きた証 SILENT VOICE
そういえば

あの時も晴れてて

風が強くて

雲の流れは速かった



藤崎悠

ハイっ

中学の卒業式は退屈だった

この学校は中学と高校がエスカレーターになってる

つまり

試験なんてしなくても普通に高校生になる事は出来た

中学の卒業式が終わった後

教室には戻らず

ここに来た

中学の友達は急に俺を避けるようになってた

原因なんてわからない

ただ

俺は普通の人とは違う何かを持っていた

でも

それはプラスじゃなくて

マイナスの方だった

酷い虐めをされる訳ではなく

俺が話さないだけだったからかもしれない

今になってはどうでもいい

友達なんて

唯の気休めに過ぎない

自分が友達だと思ってた奴が

自分を友達だと思ってなかったらどうする?

悲しいだろ

そんなもんさ

だから

俺は友達ごっこなんてやめた
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