生きた証 SILENT VOICE
あの時の屋上と何も変わってない

前より金網は錆び付いてしまってるけど

何も変わってない

チャイムが鳴っても気にしなかった

その日

昼以降の授業に俺が出る事は無かった

日が落ち始めて

寝転がって目を閉じていた体を起こし

ドアに向かって歩いた

その時

途端に足が重たくなったかと思うと

酷い頭痛に襲われた

これが発作

今までにも何度かあったが

慣れるなんて事は無い

苦しみ続けるだけ

あまりの衝撃にうずくまって

痛みが無くなるのを待った

今日は精神安定剤を持っていない

痛みは段々と退いてくる

次に吐き気

口を押さえながら急いで階段を降りる

トイレに駆け込むと

すぐに吐き出した

俺の目には涙が溜まって

今にも流れ出ようとしている
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