狐に嫁入り!?
それからウタクは腕を振り払って乱れた着物を整えると口を開いた。
「しかしお前の願いを叶えるにも、何かきっかけがないと俺も手がだせない」
「きっかけ?」
「突然いつもの薬が効いて完治しました、では馬鹿なお前の頭だとあり得ても、実際はおかしいだろう?」
それもそうだ。
私の頭でも十分おかしなことだと判断できる。
ウタクがそんなことを気にしているなんて意外。
でも……きっかけが必要なら……。
「20日後にお母さんの手術があるの。
成功確率は低いって言われてて……でも成功すれば完治の可能性もある。
この手術に成功するっていうのはどうかな?自然でしょ?」
最も、20日後に迫った手術を成功させてほしくてここまで来たんだ。
丁度いい、というか……ウタク、もしかしてわかってた?