狐に嫁入り!?


……何があるっていうの?

疑問に思いながらも言われた通り、木に背中をピッタリつけて立った。


「その状態で両腕を耳につくほど真っ直ぐ上げろ」

「こうすればいいの?」

「利口だ」

「……あ!」


妖術とか儀式とか……そういうものを想像してたのに。

ウタクに褒められ、気がつけば上に伸ばした両手首をウタクの片手で絡み取られてる。


「ウタク……これって間に合うことと本当に何か関係してるの?」

「してるわけないだろ」

「え……!?」


顔を近づけてきてしれっと言う。


……私、また騙されたんだ!
< 106 / 515 >

この作品をシェア

pagetop