狐に嫁入り!?


そして口を開く。


「20日後なら間に合う。これでお前の雲も晴れるだろ?」

「ほ……ホントに!?」

「俺が嘘を言ったことがあったか?」


……いっぱいあるでしょ!?


恐いから言わないけど。


「ただ明日にはあやかしの世界へ嫁に来てもらうぞ」

「……わかった……」


静かに頷いて私はウタクの青い目を見つめ返した。



いよいよ明日。

今からあやかしの世界へ行くつもりだったから……それに比べればまだ心の準備も出来る。

その分いろいろと考え過ぎて……足がすくんじゃいそうだけど。



「明日、いつもの参拝の時間にここへ来い」



ウタクの言葉に反応したように風が強く吹いて、私は目を開けておれず、ギュッとつぶった。


ほんの1、2秒の出来事。


なのに、目を開けた時にはウタクの姿はなかった。
< 108 / 515 >

この作品をシェア

pagetop