狐に嫁入り!?
そして口を開く。
「20日後なら間に合う。これでお前の雲も晴れるだろ?」
「ほ……ホントに!?」
「俺が嘘を言ったことがあったか?」
……いっぱいあるでしょ!?
恐いから言わないけど。
「ただ明日にはあやかしの世界へ嫁に来てもらうぞ」
「……わかった……」
静かに頷いて私はウタクの青い目を見つめ返した。
いよいよ明日。
今からあやかしの世界へ行くつもりだったから……それに比べればまだ心の準備も出来る。
その分いろいろと考え過ぎて……足がすくんじゃいそうだけど。
「明日、いつもの参拝の時間にここへ来い」
ウタクの言葉に反応したように風が強く吹いて、私は目を開けておれず、ギュッとつぶった。
ほんの1、2秒の出来事。
なのに、目を開けた時にはウタクの姿はなかった。