狐に嫁入り!?
相変わらず胸を打ちつける心臓は速いけど、頭は割と冷静だった。
「母の手術……お願いします。
それとしばらく病院へ行けなくなるんですが……心配するな、と母に伝えてください」
ご飯を食べ終え、掃除も洗濯物の片付けも終えてから病院へ電話をかけた。
手術の承諾と、自分が病院へ行かなくなることで母が心配すると思った。
学校にも朝早く電話をした。
先生が誰もいなかったらどうしよう、と思ったけど運動部の顧問がいたので
「しばらく母の看病で学校に行けないと担任に伝えてください」
と、クラスと名前を告げてお願いした。
受話器からその先生が焦ったように何か喋りだしたけど、いくら頭は割と冷静とは言え、
余分なことが入る要領はなかったので、私は無言で電話を切った。