狐に嫁入り!?
ウタクはその距離を測るように足元へ視線を落とした後、私を見てきた。
「で?どうしたんだ、その荷物は」
「き……着替えとか、下着とか……」
「ふん、気の利かない奴だな。珍味の一つでも持ってこんか」
ため息を吐きだすとウタクはそっぽを向いた。
「貧乏だって知ってるでしょう!?」
「そうだったな……代わりに何を差し出すんだったかな?」
知ってるくせに。
昨日、ちゃんと話したじゃない。
ウタクの意地悪い瞳が朝日に光る。