狐に嫁入り!?
私のウタクに向けるじっとりとした目に気付いたのか、ウタクを取り囲んでいた男性達が止めに入った。
「まぁまぁ、こんなめでたいことで何もモメなくても……!」
「そうだぞ。これでウタク様も罰を受けなくて済むんだ」
女性達は仕方なく、といった雰囲気で私を見ていた視線を地面に落とし始めた。
「罰……?20歳になったら人間と結婚する掟についてのこと?」
私は近くにいた男性に聞いた。
「掟のこと、知ってるんですね。
そうです、ウタク様はもう2年も掟を破っていて……さすがに大神様がお怒りのご様子だったんですよ」
……2年?
今、2年も掟を破っているって言った!?