狐に嫁入り!?


私がキョロキョロと辺りを見渡しているうちにウタクはどんどん奥へと進む。


「ウタク様、おかえりなさませ!」


庭のあちこちからウタクに仕えていると思われる善狐達から声が飛ぶ。

さっきも見せつけられたというのに、またウタクの権力のすごさを見せつけられる。


「コイツらは俺の家来だ。お前の願いを叶えていた奴もどこかにいるかもな」


軽く振り返ったウタクが尻目で私に教えてくれる。


今までの私の願いはウタクではなくウタクの家来が叶えてくれていた。


母親の全治ではなく現状維持だったけれど、

それでも見守っていてくれなきゃどうなっていたかわからない。


有難いと思いながら、心の中でどの善狐かわからないけどお礼を言った。
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