狐に嫁入り!?


「随分とはしたない腹の虫ですね」


皐月さんが嘲笑う。

私は恥ずかしくなって「すみません」と小さく謝った。


「ふん、コイツがはしたないのはいつものことだ」

「ウ、ウタク!そんなことないよ!」

「どうだか。皐月、俺のが食べられる前にコイツの飯を持ってきてやれ」

「……ウタク……」


ウタクの御膳だけが来て、未だに私のは来ない。

皐月さんも取りに行く気配がなければ、他の家来が持ってくる様子もない。


……ウタク、皐月さんに催促してくれてる?
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