狐に嫁入り!?
「……あなたはウタク様の元じゃなくて、人間界にお戻りになられたらどうですか?」
「戻れるものなら戻りたいわよ!ていうか、今そう言う話できないんだけど」
こっちはトイレの中。
しかも腹痛。
会話なんて出来る状態じゃない。
「目障りなんですよ。何も知らない小娘が……簡単にウタク様の懐に入り込んで。
私なんて……ウタク様が生まれた時からあの方を見守ってきたというのに……!」
「……皐月……さん?」
皐月さんの声が今にも消え入りそうな声で震えている。
……も、もしかして皐月さんが私に嫌がらせするのって……。