狐に嫁入り!?
疑問に思っている間に頭上から一人の男が降りてきた。
「わ、な、ウタクじゃなくて……誰!?」
目の前に現れたのは、ウタクとは正反対な髪も着ている和服も真っ黒な男の人……
ん?頭に耳がある……?
人じゃなくて……何か別の精霊らしい。
「なんかスゲェ嫌な名前聞こえたけど、そのことも説明も後な。とりあえず俺の背中くっついて。あと服掴んでて」
「う、うん!」
何が行われるのかわからないけど、言われる通り男に身を寄せて服を掴んだ。
微かに草木の匂いがした。
真っ黒な男は呪文を唱えている。
それから「ハッ!」と勢いよく地面に手をついた。
風が地から舞い上がり、妖狐は跳ね飛ばされ、男の力を恐れた妖狐達は尻尾を巻いて姿を消した。