狐に嫁入り!?
私は暴れる心臓を抑え込むようにご飯を口へ詰め込んだ。
いつもの何倍もの速さで全て食べ終えると、隣で見ているだけだったウタクが腰を上げた。
「ウタク……どこか行くの?また仕事?」
「似たようなものだ」
私の問いに答えながらウタクは着々と身なりを整えていく。
そして、銀髪を赤い紐で結いながら私の方を向いてきた。
「なんだ、側にいて欲しいのか?」
「ち、違うよ、そんなわけないじゃん」
心を見透かされてる気がした。
側にいて欲しいわけじゃないけど、また皐月さんと二人にされたら何言われるかわかんないし、不安もある。
そう、決して側にいて欲しいわけじゃないんだからね!?