狐に嫁入り!?
ドンッ!という心臓に響く音と共に感じる強風。
御簾(みす)が舞い上がり外の様子が見える。
廊下にはウタクと皐月さん……そして庭に現れたのは……
「ナ、ナライ!?」
ナライがまさに今、上から現れましたと言わんばかりに膝をついて、風の竜巻をまとい庭の真ん中でしゃがみこんでいる。
ナライの風に煽られた木の揺れはまだおさまっていない。
木の葉も宙を飛び交っている。
台風のような光景に目を奪われながら、私は廊下へ出た。
「ラッキー!実雨ちゃん、発見!」
私の気配を察知したナライが顔を上げ、ニッと嬉しそうに白い歯を見せて笑った。