狐に嫁入り!?
ナライのお嫁さんになる?
どちらにしろ、母が助かるなら……でも……。
「んじゃ、いくよ!」
あたしが悩んでいる間にナライが戦闘態勢に入ってしまった。
「皐月、実雨を」
「かしこまりました」
ウタクの指示を聞いた皐月さんが術を唱え始めた。
するとレンズのような透明の膜ができて、私と皐月さんを包み込んだ。
「不本意ですがあなたをお守り致します」
「私も不本意ですが守られます」
「……遮蔽膜(しゃへいまく)から出て行きますか?」
「うぅ……すみません、嘘です、守ってください!」
あやかしの世界じゃ私、一番立場弱いんだった。