狐に嫁入り!?
私と皐月さんのやり取りが気になったのか、ウタクがチラリとこちらを確認してきたのがわかった。
「よそ見してんじゃねぇぞ!」
「しつこい上にせっかちな奴だな」
苛立ったナライが風を集めて鋭く波動を放つ。
それを軽々と避けるウタク。
ウタクが避けたことで目的を失ったナライの攻撃は、近くの木にぶち当たり大きな穴を開けた。
「す……すごい……あんなの体に当たったら大変だよ!?」
「静かに見守ることはできないのですか?」
皐月さんの視線に耐えられず私は口をつぐんだ。
ナライはまたすぐに同じ攻撃を放つ。
ウタクも術を繰り出しナライの攻撃を相殺すると、青い火の玉を出して反撃する。
アニメの実写版のような光景に目が釘付けになるばかり。