狐に嫁入り!?
理解できたのは、ウタクが私に覆いかぶさっている、ということのみ。
「抵抗するなよ。痛さが増すだけだ」
「……え?ど、どういうこと……?」
尚も混乱する私の両手首を、ウタクは器用に片手で押さえつけて組み敷く。
「ま、待って!や、ヤダ!こんなの……婚姻の儀ってこんなことするの!?」
やっと身の危険を察して動き出した思考で、必死に抵抗するが手も足も自由が利かない。
「あぁ、これが婚姻の儀だ」
「そんな……!」
「これが済まんと俺の嫁にはなれんぞ。ということはお前の願いも叶えられんぞ」
そんなことわかってる。
わかってるけど……でも!
まだ心の準備ができてない……!!