狐に嫁入り!?


理解できたのは、ウタクが私に覆いかぶさっている、ということのみ。


「抵抗するなよ。痛さが増すだけだ」

「……え?ど、どういうこと……?」


尚も混乱する私の両手首を、ウタクは器用に片手で押さえつけて組み敷く。


「ま、待って!や、ヤダ!こんなの……婚姻の儀ってこんなことするの!?」


やっと身の危険を察して動き出した思考で、必死に抵抗するが手も足も自由が利かない。


「あぁ、これが婚姻の儀だ」

「そんな……!」

「これが済まんと俺の嫁にはなれんぞ。ということはお前の願いも叶えられんぞ」



そんなことわかってる。


わかってるけど……でも!


まだ心の準備ができてない……!!
< 275 / 515 >

この作品をシェア

pagetop