狐に嫁入り!?
胸騒ぎがすごく大きくなってるんだよ。
だって私、まだ人間のままだと思う……!
「ウタク!まだ婚姻の儀、成立してないんじゃないの!?」
どれだけ大きな声を出して襖を叩いても、
反応するのはウタクがかけた術だけで、
私の体に電流が走るばかりで。
「ウタク!!」
喉が潰れそうなほど叫んでも……
ウタクはもちろん……皐月さんも、他の家来も、さえずる鳥たちも……
声を荒げる私の存在には気付かない。
ウタク……何をしようとしているの!?