狐に嫁入り!?
皐月さんは相変わらず無言で落ち着いていて、私も呆然としたまま……
静かに時が流れていた……
……その時。
ドンッッ!!!!
爆発音が聞こえた。
ナライが庭に降り立った時とは比べ物にならないくらい、激しくて、地を震わす音。
「な、何!?」
「ウタク様!?」
私が反応すると同時に、襖の前にいた皐月さんも反応した。
「まさかウタク様……!」
焦ったように皐月さんが一歩踏み出す気配がした。
そうだよ!
皐月さん!早くそのままウタクの所に行って……!
だけど皐月さんが私の思う通りに動くはずもない。
「……一切入ってくるな……」
皐月さんはウタクに言われたことを思い出したように呟き、足を止めた。