狐に嫁入り!?
今はそんなことどうでもいいから!!
こんな時まで言いつけを守るの!?
私は再度襖を叩いた。
手がどうなってもよかった。
「馬鹿か」ってウタクに笑われたって構わない。
私が叩く向こう側で皐月さんも同じく襖の引き手に手をかけた。
「……っ!」
そして皐月さんもウタクがかけた術の洗礼を浴びる。
「……ウタク様、貴方の願いは……幸せは……私が叶えます」
「皐月さん……?」
皐月さんは何かを心に決めたように術を唱え始めた。