狐に嫁入り!?


「ま、待ってよ!今、完全に私の気持ち無視してる!」

「……私に貴方の気持ちを考える義務も利益も意味もありません」

「なんでよ!ウタクは……ウタクのことは考えないの!?」

「考えた結果だと……何度言えば貴方の頭は理解してくれるんですか」


皐月さんは口惜しそうに吐き出すと、再度術を唱え始める。


私の周りに風と光が集まる……。



「皐月さん!ウタクは……罰を受けるとどうなるの!?」


「……大神様によって姿を消されるでしょうね」


「姿を……!?」


「辛いですか?胸が痛みますか?

……ならば一生、その痛みに苦しみ続けながら生きればいい。ウタク様が助けるはずの母上と一緒に」




皐月さんのその言葉を最後に、私は意識を失った。
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