狐に嫁入り!?


「久しぶりね」

「あ、寝てなきゃダメだよ!ごめんね……ずっとお見舞い、来れなくて……」


上半身を起こそうとする母を制しながら、私は謝った。

母はそのまま布団にもぐり直し、私の顔をじっと見つめてきた。


「……何かあったの?」

「ううん……何でもないよ。ただテストとかで忙しくて……ごめんね」


ちゃんと笑った……つもりだった。

笑顔で明るく、言えたと思った。


でも……目をつぶった状態でも、気配だけで私のことがわかる母に、作り笑いが通用するはずもない。



「実雨、嘘ついたら……神様が願いを叶えてくれなくなるわよ」

「……!」


神様、という単語を聞いて驚いて私は固まってしまう。

脳裏にウタクの姿が浮かぶ。
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