狐に嫁入り!?
朝食を取りながらも、頭をひねっていると、あるものに目が止まった。
私は吸い寄せられるようにそれを手に取り、そっと捲った。
「今日って大安?」
手に取ったのは、予定のない私が普段あまり気にすることのないカレンダー。
その証拠にカレンダーは先月のままだった。
なんとなく見つめた今日の日付。
「……あれ? もしかしてそろそろお参り始めて、千日目くらいになるの?」
私は入院してる母の回復を願って、毎日近くの神社へお参りをしている。
今日はその千日目にあたるかもしれない。
ケータイなんて持つ余裕のない私は、仲が良い友達のケータイ番号を覚えているほど。
勉強にはイマイチ発揮してくれない記憶力だけど、記念日等はよく覚えてる。
私は記憶の中にある参拝しだした日とカレンダーを照らし合わせて計算した。
「始めたのが一昨年のこの日だから……やっぱり!」
今日はお参りを始めて千日目の朝。
そして朝からいつもと違う、いいことばかりが起っている。
……これは、奇跡が起きる前触れ?
私は急いで朝食をすますと、神社へ向かうことにした。