狐に嫁入り!?
「オメェもホンマはウタクのこと、裏切ろうかぁ、とか考えとるじゃろ?」
大神様がまた冷めた目で私を見下ろしてきた。
「そんなこと……ただ私は……」
ウタクのいない幸せも、母がいない幸せも、想像できない。
それはきっと、ウタクにとっても、母にとっても、私がいない幸せは存在しないんだと思う。
誰かが犠牲になったら、誰かが悲しむ。
自己犠牲や、誰かの犠牲の上に、幸せは成立しないんだ。
だから私は……ウタクと、遠く離れたとしても母も一緒に……。
「一緒に生きたいだけ」
だからここにいる。