狐に嫁入り!?


「なんでそこでワイが出るん」


興醒めしたように、一瞬にして声色が低く、怒気が込められたものに変わる。


私だってわかんないよ。

でも昔は、人間の思いに応えたいという純粋な気持ちを持った大神様だったんだから。

きっと、今だって……。


「もう一度だけ……何かを信じて欲しい……それで、前の大神様に……」


大神様は俯いて、小刻みに肩を揺らした。

その様子は沸々と湧きあがる思いに震えているかのよう。



「……るせぇのぉ……」

「っ……!」


首が大神様の術によって、キツク絞められた。

ただでさえ苦しかったのに……これじゃぁ……。



「うるせぇのぉ、うるせぇのぉ!!」



首を絞め上げられて、体が宙に浮く。



「きゃっ……!!」



私はそのまま、勢いよく全身を放り投げられた。

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