狐に嫁入り!?


あれほど嫌だったのに……今は少し、嬉しいよ。


「なんだろう……力がみなぎってくる」


傷が治っただけではなく、体の奥から湧きあがるものを感じる。


「嬉しそうな顔をして。後で体の隅々まで変わっているか確認してやろう」

「そ、それはちょっと……あ!ウタク、危ない!!」


こちらを向いているウタクの背後から、光の玉が飛んでくる。


ウタクは気配だけでどこにあるのか察すると術を繰り出して相殺した。

電流がバチバチと音を立てて空気中に消えていく。


「天狐がどうした、金狐がどうした。なんも怖くねぇわ!」


攻撃の主はもちろん大神様。

狂ったように笑っている。


私はその様子だけでも怖いけど、ウタクは平気らしく、余裕の表情。
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