狐に嫁入り!?
「なんだと!?ウタクはいいけど、俺のこと舐めんじゃねぇぞ!」
ナライ……挑発されやすいんだから。
腕まくりをしていたナライは、さらに一歩前へ身を乗り出して戦闘態勢。
その様子を見ていたウタクは「ふん」と鼻で笑った。
「お前なんぞ舐める価値もない」
「なに!?」
「ちょ、ちょっと仲間同士で争うなんて……」
「狐と狸は仲間ではありませんから。あなたの頭の悪さは金狐になっても変わらないんですね」
「うぐぅ……っ」
皐月さんの冷やかな発言が痛い。
けど、それが聞けるのは皐月さんも私も無事だから。
そう思うと悪くはない……かな。