狐に嫁入り!?
私達のやり取りを見ていた大神様は退屈そうに頭を掻いた。
「で?誰からワイにかかってくるん?全員来てくれてもえぇけど?」
「相手するのは俺だけだ」
ウタクは着物の袖をバサリと払い、体勢を整える。
今のウタクからは銀狐であったウタクよりも巨大な力を感じる。
でも、でも……!
「じゃけぇ格好つけたっていいことねぇって。わからせてやらぁ!」
大神様は高く飛び、ウタクへ向かって攻撃を放つ。
ウタクはそれを素早くかわし、タタタッと小さな足音を立てて本殿内を走り回りながら、大神様の隙を探している。
「実雨ちゃん、こっちに」
「ナライ……」
座ったままでいた私の側に、ナライと皐月さんが来てくれて防御の効果がある遮蔽膜を作ってくれた。