狐に嫁入り!?
「ウラのことを、全ての人間が忌み嫌っていたわけではない。
もたらしてくれた技術に感謝するものもいた。
だから供養のために、鉄の釜で神事を行っているんだろう」
鉄はウラがもたらした技術。
その鉄で作られた釜で行われる神事。
やっぱり大神様のために……。
「今ではウラではなく、朝廷の頭が侵略者であり鬼だったのではという説もある」
人間は気付いたんだ。
大神様が悪い鬼なんかじゃないって。
「いくら人間に対して憎悪を抱いていると言っても、そろそろ気付いてるはずだろう」
「知らんわ、そんなん」
「もうずっと昔から行われていることだ。知らんとは言わせんぞ」
「ワイには聞こえんのんじゃ」
大神様は視線を逸らして、ウタクの言葉を全て跳ね返す。