狐に嫁入り!?

大神様は嘘をついてる。


本当はずっと聞こえていたんでしょう？

だからそんなに……無感情を装うんでしょう？



「……あっ！実雨ちゃん！」


たまらなくなった私は、ナライの声を振り切り遮蔽膜の外へ出た。


「もう！イライラする！」

「馬鹿が……！膜の中でいろ！」


ウタクが私の前に立ちはだかって、大神様から守ろうとしてくれる。

でも私はウタクを押しのけて前に出た。



「人間達のこと見ないふりして……認めないなんて」

「はぁ？何、言よん？」

「どうせ、認めたらまた裏切られるって思ってるんでしょ？それが怖いんでしょ？」

「怖くねぇわ！」

「私とウタクを散々痛めつけておいて……自分は傷つきたくないなんて。

自分を守ることしか考えられないなんて、弱いんだよ！」

「違う……ワイは強ぇんじゃ！！」



大神様が叫ぶと同時に扇から、私をめがけて攻撃を飛ばしてきた。


「実雨！」


ウタクの声が……攻撃の音にかき消される。