狐に嫁入り!?
ウタクは損してるよ。
不器用な優しさに隠した想い。
もっともっと……ちゃんと伝えてくれなくちゃ。
「ウタク……わかりにくいよ」
「あれほど構ってやっているのにか?」
ウタクは口の端を上げて意地悪に笑う。
いじめることがウタクの愛情表現ということらしい。
いや、私がそう思わなくちゃやっていけない。
この先……一緒に歩む道が長いんだから。
「たまには優しくしてよ?」
「ほぉ、どういう風に優しくして欲しいんだ?肩を抱いて欲しいか?
それで顎に手を当て、口付けでも落として欲しいか?それだけじゃ足りんか?」
ウタクがジリジリと距離を詰めてきて、私の腰に手を回した。
「ちょ……ま、待って!そんなこと言ってない!」
そういうところが優しくないんだよ。