狐に嫁入り!?


ただ遊ばれているとわかっていても、体は一気に熱を帯びる。

これ以上近づいているのは危険。

私は慌ててウタクの胸を押し、体を離した。


「私をいじめてばっかりだと、いい加減拗ねるよ?」


「ふん、拗ねたら素直になるまで可愛がってやろう」


「な、なによ……それ」



尻目で見たウタクの笑みは温かかった。

ずるいよ。

言い返したくても言葉が出てこないじゃない。



ウタクから距離をとったというのに……体に残っていた熱がうずく。

むずがゆい空気が流れて、ただ黙ってしまうばかり。


それに耐えきれなくなったのは……


「だー!もう!なんなの!これって俺に対しての拷問!?」


ナライだった。
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