狐に嫁入り!?


ほんのり顔を赤くして、ムシャクシャしたように頭を掻く。

そして気持ちを切り替えるように私へ向き直った。


「俺、帰る!これ以上、桃色の空気にあてられたら敵わねぇ!」


も……桃色。

私とウタク、そんな空気醸し出してたかな?


ナライが自分の屋敷へ帰ろうと襖に手をかけると、その後をついて行くように皐月さんも歩き出した。


「私も出て行きましょう。実雨様のためではなく、ウタク様のために」


皐月さんはやたらと、私とウタクの名前を強調して出て行った。

そんなに言わなくてもわかってるのに。


でも急に……なんなのよ、二人とも。



気を利かせた、なんて言わないでよ?



……緊張しちゃうじゃん。

< 473 / 515 >

この作品をシェア

pagetop