狐に嫁入り!?
ほんのり顔を赤くして、ムシャクシャしたように頭を掻く。
そして気持ちを切り替えるように私へ向き直った。
「俺、帰る!これ以上、桃色の空気にあてられたら敵わねぇ!」
も……桃色。
私とウタク、そんな空気醸し出してたかな?
ナライが自分の屋敷へ帰ろうと襖に手をかけると、その後をついて行くように皐月さんも歩き出した。
「私も出て行きましょう。実雨様のためではなく、ウタク様のために」
皐月さんはやたらと、私とウタクの名前を強調して出て行った。
そんなに言わなくてもわかってるのに。
でも急に……なんなのよ、二人とも。
気を利かせた、なんて言わないでよ?
……緊張しちゃうじゃん。