狐に嫁入り!?
周りの人がチラチラ見てくるけど、気にしていられない。
私もウタクの隣で頭を下げた。
「私もウタクからたくさんのことを教えてもらって……もっと側で一緒にいたいと思ってる」
「実雨……」
「ウタクと遠くへ行くことになるけど、でも元気で暮らすから。
だから……お願いします!」
「遠くって……外国?」
眉根を寄せて聞いてくる母。
病み上がりの母に本当のことを言ったら腰を抜かしてしまいそう。
「う、うん!ちょっと遠くに……ね!」
言葉を濁す私に、母は笑って「そう」と頷くだけで、深く聞いてこなかった。
「実雨が幸せならそれでいいわ」
「……お母さん!?」
満面の笑みは了承という返事。