狐に嫁入り!?


――――・・・・・・


母達と別れた後、私とウタクは神社へ戻ってきた。


人間界でウタクが術を使うわけにもいかず、歩いて神社へ戻ることにした。

その最中、病院近くでは行きかう人々から何度も冷やかしを受けて、

その度に私達は嬉しさと恥ずかしさの混在する苦笑いを浮かべた。



「やっと神社についたね」

「ふん、これだから人間は……」

「嫌いだって?」

「いや、悪くない」


ウタクも人間を少し好きになってくれたかな。


大神様も言っていた通り、綺麗なところばかりじゃないけど、だからと言って悪い部分だけじゃない。



「でもまだウタクが人間の格好してくれてたから助かったよ」


ウタクがいつも通り、耳も尻尾もそのままで、しかも着物姿でいたらもっと目立っていたと思う。

私がホッと息を吐いていると、ウタクはネクタイを緩めて口を開いた。
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