狐に嫁入り!?


私の怒りはちゃんと伝わったのか、ウタクは首に手を当てて気だるそうな様子。


「ふん……曖昧も何も仕方がないだろう。俺は一切関わっていないんだ」

「なら否定すればいいじゃない」

「否定はできん。

どういう叶え方をしているかまでは把握してないが、俺の下が動いてることだからな」


ウタクの下……家来ってこと?

家来が私の願いを叶えてくれてるの?


思ってもみない答えに、怒りがフッと体から抜けていった。


「ウタクが……叶えてくれてるんじゃないの?」


神様ってそういう存在でしょ?

だから神頼みって言って頼りにするんでしょ?


「……俺に叶えて欲しかったか?」


不意に細められる目。

……今は眩しい表情も、心臓が跳ねあがる言葉も必要ないんだってば!
< 98 / 515 >

この作品をシェア

pagetop