狐に嫁入り!?
私の怒りはちゃんと伝わったのか、ウタクは首に手を当てて気だるそうな様子。
「ふん……曖昧も何も仕方がないだろう。俺は一切関わっていないんだ」
「なら否定すればいいじゃない」
「否定はできん。
どういう叶え方をしているかまでは把握してないが、俺の下が動いてることだからな」
ウタクの下……家来ってこと?
家来が私の願いを叶えてくれてるの?
思ってもみない答えに、怒りがフッと体から抜けていった。
「ウタクが……叶えてくれてるんじゃないの?」
神様ってそういう存在でしょ?
だから神頼みって言って頼りにするんでしょ?
「……俺に叶えて欲しかったか?」
不意に細められる目。
……今は眩しい表情も、心臓が跳ねあがる言葉も必要ないんだってば!