命の花
 ゴオォオオ!

 風が吹いた。

 辺りの炎は一瞬、音を無くした。

 再び風が吹いたとき、赤くうねる凶暴な何かが螺旋(らせん)を描いて天へと昇っていった。

 記録的な局地的大嵐に御山が見舞われたのはそれからすぐのことだった。

「や、まーた来たの?」

 冷笑を浮かべ、その男は趣味の悪いまだら模様の鞭をしならせた。
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