君の隣。

長谷川君って
本当にすごい人なんだなぁって、
このとき思った。


このときはまだ
それだけだった。



「ねー。」


「…何?」


「あの漢字、
なんて読むの?」



「因数分解(いんすうぶんかい)。」



「はぁ…。
なんだそりゃ。」



「…おい…。」



長谷川君はあんまり
人と話さない。


でも、
私とは普通に話してくれる。


私が馬鹿だからかな…?



すごく優しい人
だとは思うんだけど、
なーんか
バリアを張ってるっていうか…。


あまり深入り出来ないような
感じがするのは
たぶん私だけじゃないはず。


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