君の隣。
【戦い】
「お願いします!
入部してください!」
「だから、無理ですって。」
昼休みの教室。
私のとなりの席から
ワーワーと声が聞こえてくる。
この間の
テニス部の人々が
また、
長谷川君を引き抜きに来たらしい。
「本当にお願いします!
君だけが…
君だけが希望の光なんです!」
「お断りします。」
「…仕方ないですね。
これは勝負するしか
無さそうですね?」
「…は?」
「テニスで勝負して
君が勝ったら諦めます。」
「おぉ。」
「こっちが勝ったら
入部してもらいます。
…この子つきで!!」
誰か巻き込まれた!!
誰…?
テニス部の指を
さしている方を向く。
……私…?
わ、わたしぃぃ!!?
「ちょっと待って!!
テニスとか、
まじで無理だから!」
「お前に拒否権はない。」
んなぁんだとぉ!!!
「わかった。」
隣から
小さな声が聞こえてきた。
(え―――。
わかったって…おい。)
「負ける気がしねぇ。」
まぁまぁ、
なんとも
自信満々な発言。
長谷川君は
ふと私の方を向いた。