君の隣。

長谷川君は何度も何度も
大丈夫を繰り返してた。

本当は嘘のくせに。
苦しいくせに。
辛いくせに。
無理してるくせに。

馬鹿な私にだって分かる。


試合が始まって10分。
長谷川君は3点差で負けていた。


頑張れって心の中で
応援するたびに
心が痛む。

今私にできるのが
応援だけだということが、
手出しできないということが
ただただ悔しい。


「がんばれっ…!!」


涙がこぼれ落ちる。
自分の無力さに
こみ上げてくる涙を
堪えきれなかった。


長谷川君はいつの間にか
私の中で大きな存在に
なっていたんだ…。

< 38 / 102 >

この作品をシェア

pagetop