君の隣。
長谷川君は何度も何度も
大丈夫を繰り返してた。
本当は嘘のくせに。
苦しいくせに。
辛いくせに。
無理してるくせに。
馬鹿な私にだって分かる。
試合が始まって10分。
長谷川君は3点差で負けていた。
頑張れって心の中で
応援するたびに
心が痛む。
今私にできるのが
応援だけだということが、
手出しできないということが
ただただ悔しい。
「がんばれっ…!!」
涙がこぼれ落ちる。
自分の無力さに
こみ上げてくる涙を
堪えきれなかった。
長谷川君はいつの間にか
私の中で大きな存在に
なっていたんだ…。