君の隣。
叶汰は
大きな椅子に座っていた。
そして、
メモに文字を書いて
私に渡した。
“今日はごめん。
勉強教えてあげられなくて。”
叶汰の字・・・
すごく整ってて
きれいな字。
(何言ってるんだ私は。)
「いいよ。
それより、声、
大丈夫?」
叶汰は口パクで
“まぁまぁ”と言った。
私は、買ってきた
のど飴を手渡した。
叶汰はメモに
“ありがとう”と書いて
私に見せた。
「熱、ないの?」
“ある”
「寝なきゃダメじゃん。」
“大丈夫。”
「ダメ。
そんなの許さない。
ほら、少しでいいから
寝なきゃダメ。」
“・・・わかった。”
叶汰は椅子から
立ち上がると
私の手を掴んで
部屋を出た。