君の隣。

目をつぶっていても
叶汰が近づいてくるのがわかる。


ゆっくりと
唇が重なった。



大好きじゃなきゃ
こんなことしないんだよね。


紛れもない
恋人のしるし。



緊張のあまり
何にも覚えてないけど
あんなに幸せを感じたのは
初めてだったかもしれない。


数秒が
スローモーションみたいに
ゆっくり流れていった。



…テスト…。
ん?待って…?

テスト、
赤点…!



「赤点ヤバイ!!」


「お前な…雰囲気ぶち壊しじゃん。」

「ごめんね、でもっ、
赤点がぁぁー!!」


「…。」


や、やばい?
怒った?


「俺、こんなやつ初めて。」


え、嫌いになったかな?
こんな雰囲気ぶち壊しのやつ
初めてだったんだ!!

あー、
終わった。


捨てられる。


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