我が家の王子サマ*


カーテンを開けた途端、
目の前に広がる景色。



人、人、人、人、人、……。

カメラを構えた人、
カンペを持ってる人、
メガホン持ってる人、




ざっと見たとこで30人くらい。



頭の中はさらに
<???>が広がる。


この光景…

一般人のあたしだってTVで見たことある。



「なんで、ここで撮影してるの……」


疑問を声に出してしまった。


途端、振り返った
30人もの集団。


「おい、一般人がいるじゃねえか。なんで、入らせちゃったんだよー!」

「すみません!監督!」

「早く外にでてもらえ」

「は、はい!!」


すると、あたしの方に向かって
一人の若い男が近寄ってきた。


「ごめんね、ちょっと外にいてもらえるかな?」

「あ、すみませんっ。撮影やってるなんて知らなくて……」

「あれ?知らないの…?学校から連絡きてない??」

「え?うそ!?」

慌てて、ケータイを開ける。

゛新着メールあり゛

゛今日は職員会議のため急きょ学校は休みになりました。
絶対に行かないようにして下さい゛




「届いてた……」


「そっか。」


「あ、じゃああたし帰りますね!」


「うん、ごめん――…」

「カズー、俺の水はー?」

「あ、今行きます!」

そういって、
カズと呼ばれたひとは
立ち去っていった。


………ん?


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