歌姫(仮)
『……ーん…な…さ…!…HINAさんっ!』
あ、KEI君…
目の前にはKEI君の顔。
『HINAさんさっきから呼んでるの気づきませんでした?(笑)』
さっきから?
「ごめんなさい!集中しちゃうと周りが見えなくなっちゃうんですよっ」
全く気づかなかった…
『歌詞ですか?でもそれってすごいことだと思います!』
「ありがとっ!」
これは素直に嬉しかった。
『途中まで一緒に帰りませんか?』
そんなキラキラの笑顔で言われたら断れません(笑)
「いいよですよ!今から支度しますね」
『じゃあエントランスの入り口待ち合わせでいいですかっ?』
「わかりました!」
ずいぶん大胆な所で待ち合わせるんですね(笑)
KEI君はいったん私の楽屋から出て、自分の楽屋に戻って行った。