歌姫(仮)
そこからKEI君の質問攻めでかなり疲れた。
コンビニについてマネージャーさんにお礼を言って車を降りた。
『またね~』
KEI君は大きく手を振ってきた。
私も小さく振り返す。
ふぅっ
コンビニには寄らずにマンションに向かった。
厳重なオートロックを解除して中にはいる。
「さーて、お風呂入って歌詞やっちゃいますかーっ」
一人で呟いてお風呂場に向かう。
カラコンをとって化粧を落とせばHINAの私はいなくなる。
「おかえり結衣」
鏡の中の自分に笑いかける。
ひとりぼっちのこの部屋で頼れる人は自分だけ。
いつも、大丈夫だよって言い聞かせる。